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【イタリア・ベネツィア旅】フラーリ教会|ティツィアーノの傑作《聖母被昇天》を鑑賞

ベネツィアのサン・ポーロ区にある「サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会(通称フラーリ教会)」。

ルネッサンスに活躍したベネツィアの画家・ティツィアーノの傑作が飾られていると聞いて行ってきました。

サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会

フラーリ教会の鐘楼は1396年に完成。サンマルコ大聖堂に次ぐ高さなのだそう。

何度も改修が行われていますが、現在の教会は主に14世紀に建設されたようです。

サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会

ティツィアーノ《聖母被昇天》

主祭壇に祀られているティツィアーノの《聖母被昇天》は、高さが約7メートルもあり、ベネツィア最大級の祭壇画です。

そのスケールに圧倒されます。

ティツィアーノ《聖母被昇天》(1516–1518年)

赤いローブと青いマントに身を包んだマリアが天に昇る様子を描いたこの祭壇画。

上中下の3層に分かれる構図で表現されています。

当時この題材の絵は、厳かな雰囲気で描かれることが多かったようですが、ティツィアーノは、赤や青、金などの鮮やかな色で”奇跡の瞬間”をドラマティックに描いたのが革新的だったそうです。

ティツィアーノ《聖母被昇天》(1516–1518年)

この作品を契機に、ティツィアーノにはヨーロッパの宮廷やローマ法王庁からの注文が殺到し、国際的巨匠の地位を確立することになります。

ペーザロ家の祭壇画

フラーリ教会にはもう一つティツィアーノの祭壇画があります。

ティツィアーノ《ペーザロ家の祭壇画》(1519–1526年)

従来の祭壇画が、基本的に左右対称で中央に聖母を配置する構図だったのに対して、ティツィアーノはこの《ペーザロ家の祭壇画》で、対角線上に人物を置く新しい構図を導入しました。

面白いなと思ったのは、鎧を着た聖ゲオルギオスがオスマン兵の捕虜を連れているという点です。

背景には旗も描かれています。

これらの要素は、祭壇画の依頼主だった司教であり海軍司令官のペーザロがオスマン帝国に勝利した海を描いているそうです。

右下でこちらを見ている人物が気になりましたが、誰なのかは分かりませんでした。

アントニオ・カノーヴァの記念碑

教会内にはティツィアーノをはじめ、ベネツィアの名士たちが眠っています。

このうち斬新なデザインで特に目を引くのが、高さ8メートルのピラミッド型の記念碑です。

18〜19世紀初頭にかけて活躍したイタリア人彫刻家のアントニオ・カノーヴァの心臓が納められているそうです。

このデザインはカノーヴァが生前に構想したそうです。

アントニオ・カノーヴァの記念碑

主祭壇の周りにある木製の聖歌隊の席も見事な装飾でした。

聖歌隊

聖歌隊

今回フラーリ教会に行ったのは、宿泊していたホテルのレセプションの女性が「私が一番好きな教会だから行ってみてね」と教えてくれたからでした。

教会の建物は比較的質素な造りですが、素晴らしい祭壇画や記念碑があって、ベネツィアでぜひ訪れて欲しい教会のひとつです。

サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会

サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会

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ティツィアーノの作品はフィレンツェウフィツィ美術館でも鑑賞しました。saoriinistanbul.hatenablog.com