レストランで出会ったトルコ人の青年と話が弾んだシルケジでの夜、彼は食事の後にレストランの近くで開催されている「メヴレヴィー教団(Mevlevilik)」の旋舞「セマー」のイベントを予約していました。
白い衣装に身を包み、くるくる回る舞踊です。
なんでも「トルコ人なのにセマーを一度も見たことがないから、今夜は観光客に混じって人生で初めて観てみようと思った」のだとか。
せっかくの機会なので我々も便乗することにしました。
旋舞「セマー」を見学
会場はシルケジのジャーケバブレストランから徒歩5分のところにある「Hodjapasha(ホジャパシャ)Cultural Center」です。
もともとハマムだった建物を改装したそうです。

Hodjapasha Cultural Center
開催15分前でしたが、受付でチケットを購入できました。
事前にオンラインで購入した方が値段的にお得だと思います(確信はないのですが、おそらく)。
ショーは約1時間でした。
最初に楽団が入場してしばらく伝統的な音楽を奏でます。
その後、白い衣装に身を包んだ男性たちが続々と会場に入ってきて、そのあとはとにかくクルクル、クルクルと回り続けます。

Hodjapasha Cultural Center
旋舞「セマー」とは
トルコの「メヴレヴィー教団」は「イスラム神秘主義(スーフィズム)」の一派で、踊りや神への賛辞を唱えることで、神との一体感を求める信仰形態・思想を持っていたそうです。
過去形で書いたのは、1923年のトルコ革命による「脱イスラム政策」によって教団は解散したから。
ただ、1954年にセマーを「ショー(公演)」として興行することが認められたことで、現在、イベントとして鑑賞することができます。
ショーの最後に壁には教団を創設したメヴラーナ・ジェラールッディン・ルーミー(Mevlana Celaleddin-i Rumi)の詩が壁に映し出されました。

Hodjapasha Cultural Center
“Come, come, whoever you are.
来たれ、来たれ、誰であってもよい。
Wanderer, worshiper, lover of leaving. It doesn't matter.
放浪の人よ、祈る人よ、旅立ちを愛する人よ、皆、ここへ。
Ours is not a caravan of despair.
絶望を運ぶ隊商ではないのだ、われらは。
Come, even if you have broken your vows a thousand times.
たとえ幾千度、誓いを破ったとしても——来よ。
Come, yet again, come, come.”
再び、そしてまた再び。来たれ、来たれ。
― Mevlana Celaleddin-i Rumi
日本語訳は意訳です。
この詩はルーミーの言葉の中でも「赦し」と「受け入れる心」を象徴するものとして有名なのだそうです。
saoriinistanbul.hatenablog.com
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