ぶるぶるイスタンブール 期間限定のトルコ生活

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セルジューク朝タイルの傑作揃い!コンヤ「カラタイ神学校(タイル博物館)」完全レポート

トルコ中央アナトリアの街・コンヤを訪れたら、メヴラーナ博物館と並んでぜひ立ち寄ってほしいのがカラタイ神学校(Karatay Medresesi/カラタイ博物館)です。今回、実際に見学してきたのですが、想像以上に建物とタイルの展示品が素晴らしく、コンヤ観光の中でも特に感動した場所でした。

カラタイ神学校(Karatay Medresesi/カラタイ博物館) トルコ・コンヤ

カラタイ神学校

カラタイ神学校とは

カラタイ神学校は13世紀、セルジューク朝時代の宰相ジェラーレッディン・カラタイによって建てられた神学校(マドラサ)です。現在は「チニ・エセルレリ博物館(Çini Eserleri Müzesi=タイル博物館)」として、セルジューク朝時代のタイル作品を中心に展示されています。

正面のポータル(門)には、白と黒の石を組み合わせた彫刻で、セルジューク様式の浮き彫りスタラクタイト(鍾乳石飾り)が施されています。

カラタイ神学校(タイル博物館)のポータル(門)

カラタイ神学校の門

ミュゼカード(Müze Kart99)使えず、現金170リラで入場
トルコの博物館・遺跡を周遊する方の多くが持っている「ミュゼカード(Müze Kart)」。カラタイ神学校では、私が訪問した際にはトルコ在住の外国人が購入できる「ミュゼカード99」は使用できませんでした。

  • 支払いは現金のみ
  • 入場料は170リラ

現金払いのみなので、コンヤでカラタイ神学校を訪れる予定の方は、現金(リラ)を用意しておくことをおすすめします。ただ、料金や利用可否は変更される可能性があるので、訪問時に窓口でも確認してみてください。

カラタイ神学校(タイル博物館)に展示されたタイル

カラタイ神学校(タイル博物館)

圧倒的な所蔵数!セルジューク朝タイルの宝庫

これまでアゼルバイジャンのバクーやイスタンブールの博物館でもセルジューク朝のタイルを見てきましたが、カラタイ神学校は「所蔵数が桁違い」という印象を受けました。

セルジューク朝タイルに描かれた動物と人物の装飾模様、コンヤ カラタイ博物館

セルジューク朝のタイル

カラタイ神学校で展示されているタイルの多くは、コンヤから西へ約100km、ベイシェヒル湖畔に13世紀に建てられたセルジューク朝の夏の離宮「クバートアーバード宮殿(Kubad Abad Sarayı)」からの出土品です。

発掘で出土したタイルには、双頭の鷲やコウノトリ、孔雀といった鳥のモチーフや、動物・人物を描いたものが多く見られます。

セルジューク朝タイルに描かれた動物と人物の装飾模様、コンヤ カラタイ博物館

セルジューク朝のタイル

これはアッバース朝・ファーティマ朝・ササン朝、さらには中央アジアのシャーマニズム文化の影響を受けているとされ、単なる装飾を超えて当時の宮廷文化や信仰を映し出す貴重な資料になっています。イスラム美術というと幾何学模様のイメージが強いですが、クバートアーバード宮殿のタイルに動物や人物が多く描かれているのは、この宮殿が「離宮」という、スルタンの私的な空間であったことも関係していると言われています。

カラタイ神学校(タイル博物館)に展示されたセルジューク朝のタイル

セルジューク朝のタイル

タイルの形は、「セルジューク朝の特徴的な意匠」である正方形を2つ重ねてできる八稜星形(8つの角を持つ星型)のものが多かったです。この形はセルジューク朝の時代に特に流行し、宮殿建築の定番装飾として確立したのだそうです。
カラタイ神学校では、タイルが実際に組み合わせて展示してあるので、実際の装飾を想像しながら当時の宮殿に思いを馳せました。

セルジューク朝のタイル カラタイ神学校

セルジューク朝のタイル

神学校の建物そのものが美しい

展示品だけでなく、建物自体の美しさも見どころです。特に正24角形のドーム天井を彩るターコイズ・ネイビー・ブラックのモザイクタイルの緻密さは圧巻でした。

カラタイ神学校内部、ターコイズブルーのモザイクタイルで覆われたドーム天井

カラタイ神学校

内部に入った瞬間、光と色が織りなす空間の美しさに圧倒されます。写真好きにもたまらないスポットです。

カラタイ神学校(タイル博物館)内部 トルコ・コンヤ

カラタイ神学校(タイル博物館)

庭の彫刻・レリーフも見応え十分

館内の展示だけでなく、中庭に並ぶ石彫のコレクションも必見です。

天使のレリーフ(コンヤ城塞跡出土)
これはコンヤ城塞(Konya Kalesi)から出土した13世紀・アナトリア・セルジューク朝時代の建築装飾です。

カラタイ神学校の中庭に展示された天使の彫刻、ゲートを飾っていた装飾

天使のレリーフ(コンヤ城塞跡出土)

展示解説によると、頭上に三葉冠、長い髪を両腕に絡ませ、裾の長い衣装に飾り帯というスタイルは、中央アジアの伝統的なトルコ系図像表現の特徴を色濃く残しているのだそうです。

なお、このレリーフが元々飾られていたコンヤ城塞の市場門(Pazar Kapısı)は、19世紀のフランス人考古学者シャルル・テクシエによる記録画も併せて展示されており、当時の城壁の姿を想像しながら見学できるのも面白いポイントです。

フランス人考古学者シャルル・テクシエによるコンヤ城塞の市場門(Pazar Kapısı)の記録画

コンヤ城塞の市場門(Pazar Kapısı)の記録画

動物闘争のレリーフ「象と犀の闘い」(コンヤ城塞跡出土)
また、面白いなと思ったのが象と犀(サイ)が戦う様子を描いた大理石のレリーフです。これも天使像と同じくコンヤ城塞(Konya Kalesi)からの出土品で、13世紀・アナトリア・セルジューク朝時代のものとされています。

動物同士が戦う様子を描いた大理石のレリーフ、コンヤ カラタイ博物館の庭

「象とサイの闘い」(コンヤ城塞跡出土)

展示解説によると、トルコ系民族(テュルク)の間では古くから動物闘争のシーンが芸術のモチーフとして好まれてきたそうです。それには彼らが暮らしてきた文化的環境や地理が大きく影響しており、中心テーマは「強者と弱者のせめぎ合い」。ライオン・虎・ヒョウといった猛獣が「力」の象徴として描かれる一方、時にはそこへ角や複数の頭、翼などのパーツが付け足され、現実離れした空想上の生き物として表現されることもあったといいます。

「サイと牛(鹿)のレリーフ」(コンヤ城塞) アナトリア・セルジューク朝 13世紀

サイと牛(鹿)のレリーフ

館内の展示だけでなく、屋外の彫刻コレクションもクオリティが高く、時間をかけてじっくり見て回る価値があります。

まとめ:コンヤ観光ならカラタイ神学校は外せない

メヴラーナ博物館だけでコンヤ観光を終わらせてしまうのはもったいないです。セルジューク朝の美術や建築に興味がある方は、ぜひカラタイ神学校(タイル博物館)にも足を運んでみてください。

※入場料・支払い方法・ミュゼカードの利用可否は変更される可能性があります。訪問前に最新情報のご確認をおすすめします。

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